第121回日本医史学会総会・学術大会

第121回日本医史学会総会・学術大会大会長ご挨拶

Greetings

大会長 弦間 昭彦
日本医科大学

 この度、日本医科大学が、第121回日本医史学会総会・学術大会を主催させていただくことになりましたことは大変光栄な事であり心より感謝申し上げます。本学は1876年に創立され、多くの医師を育て庶民の医療を支えるとともに、野口 英世をはじめとする多くの研究者を生んだ済生学舎(さいせいがくしゃ)を前身としており140年有余の歴史を刻んでおります。本学が、本大会のお世話をさせて頂くことは、初めてでありますが、その責任の重さを深く感じています。 さて日本医史学会の前身は明治25年に私立奨進医会(しりつしょうしんいかい)が開催した先哲祭(せんてつさい)に遡ります。先哲祭(せんてつさい)はその後に医家先哲追薦会(いかせんてつついせんかい)と名称を変えましたが、済生学舎(さいせいがくしゃ)の創立者長谷川 泰(はせがわたい)はその主たる講演者として名を連ね、明治44年の第20回医家先哲追薦会(いかせんてつついせんかい)では「先哲の日本文明に及ぼしたる効力」と題して特別講演を行っております。その意味においても日本医史学会は本学とは縁の深い学会であります。
 本大会の基調テーマは、本学の源流である済生学舎(さいせいがくしゃ)の建学の精神から「済生救民と社会との共生」とし、本学の伝統である「病める庶民への社会貢献の歴史」を振り返ります。
 特別講演では、日本医史学会理事長坂井 建雄(さかいたつお)先生より「現代医学のルーツはどこにあるのか」 をご講演頂きます。また同時開催される市民公開講座では、ノンフィクション作家 柳田 邦男 先生より「心に生きる日野原重明(ひのはらしげあき)先生~30年余の豊かな学び、そして未来~」と題しお話しいただきます。
 シンポジウムの「医療史から済生救民を考える― 長谷川 泰(はせがわたい)をめぐる人々―」では、 長谷川 泰(はせがわたい)の恩師、知友との巡りあわせなど各人に造詣の深い権威にご講演をいただく予定です。
 また医史学会恒例の特別展示としては、日本でも現存数が少なく大変貴重な書籍を公開予定です。特に本学にゆかりのある篤志家より、本学へ寄贈いただきました医学および他の自然科学に関する書籍では、「明治期に東京大学で明治14年から20年間の長きに渡り教鞭をとった外科医のユリウス・スクリバの蔵書166冊」、「解体新書 初版本」、「重訂解体新書」、「平次郎解剖図」、「蘭学事始」、「アンブロワーズ・パレ(Ambroise Paré)の実践外科学」、「華岡青洲(はなおかせいしゅう)の口述写本」などを展示する予定です。
 このように伝統ある日本医史学会を、多くの文化人の暮らした千駄木の地の日本医科大学で開催し、医学・医療史の発展に僅少ではありますが貢献したいと考えています。全国の医史学に興味を持っておられる医療職および文化人類史等に興味をお持ちの方、また広い分野からの多数のご参加を頂き、この第121回本大会が実り多い大会となりますよう、皆様方の温かいご支援とご鞭撻を心からお願い申し上げます。